粉瘤とは

首・脇・背中・陰部・顔・体など、気が付いたらコロコロとした丸いできものができていて、中から臭いのある粥状のものがでてきた経験はありませんか?もしくは、放置していたできものが、ある日突然腫れて痛くなった方もいらっしゃると思います。

軽微な外傷など、何らかのきっかけで表皮や上皮内成分が真皮内に迷入して皮膚が一部袋状になり、その中に角質(垢)などがたまり大きくなって塊のようになったものを粉瘤と呼んでいます。

細菌感染などの炎症が生じると、赤く腫れて痛みを伴うようになります。自然に孔があき、ドロドロとした腐ったチーズのような異臭を伴う膿が出てくることもあります。

炎症が起きていない状態での粉瘤の治療法は、手術で袋ごと取り除くことです。一方、炎症が起きて赤く腫れているときは、その状態に応じて切開排膿を行い抗生剤を内服したり、ステロイドを局所注射するといった治療法があります。

粉瘤の日帰り手術

粉瘤は、外用剤などで治療することができないので、基本的に手術で取り除くことになります。

当院では、腫瘍の大きさや状態・部位に応じて、紡錘形に切除する従来の方法と、丸いメスで小さく孔をあけて嚢腫壁を取り出す方法:くりぬき法、いずれも行うことが可能です。

※腫瘍の状態によっては選択できない場合があります。

日帰りでの手術です。消毒を行った後、粉瘤の周りに局所麻酔の注射をします。数分後麻酔が効いていることを確認して手術を行います。腫瘍壁を綺麗に取り除き、残存がないことを確認し、縫合糸で縫合し、終了です。癒着などが無ければ処置自体は10分程度です。麻酔や術後のガーゼ貼付などを含めると、概ね30分前後で終了します。

当院では、より綺麗に・より早く治癒すること目指すため、別料金にてLEDを照射させていただいております。ご希望の方はお申しつけください。医療用LEDは創傷治癒促進、美肌効果など多数のメリットがありますので、手術をお考えの方はぜひご相談くださいね。

手術費用について

摘出した検体は病理組織検査に提出し、確定診断を行います。検査代が3割負担の方で3000円前後かかります。

手術費用は露光部・非露光部・大きさ・良性か悪性かで変わります。(下記参照)

そのほか初診料・再診料・局所麻酔・軟膏代などの受診に伴う料金がかかります。

3割負担の方の皮膚良性腫瘍切除術の金額(保険診療のため全国共通です)

非露出部(K006 半袖、半ズボンで隠れる位置)

  • 径3cm未満(1280点)  約3840円
  • 径3~6cm未満(3230点)  約9690円
  • 径6~12cm未満(4160点)  約12480円
  • 径12㎝以上(8320点) 約24960円

露出部(K005)半袖、半ズボンでも外にでる位置)

  • 径2cm未満(1660点)約4980円
  • 径2~4cm未満(3670点)  約11010円
  • 径4cm以上(4360点)  約13080円

術後の注意事項とよくある質問

  • 傷の感染や創離開を防ぐため、激しい運動・飲酒・サウナは当日はお控えください。
  • 当日のシャワーはOKです。
  • 飲酒は出血などがなければ術後1~2日後より可能です。
  • 入浴は抜糸後から可能です。
  • サウナ・プール・温泉・海水浴も抜糸後から可能です。
  • 膝などの屈曲が多い場所は抜糸後も1~2週間は離開する可能性がありますので、急に屈伸したり、張力がかかることは避けてください。
  • 生命保険などの手術給付金につきましては、ご自身が加入されている保険によって給付される場合とされない場合があります。当院で個々に調査をすることはできませんので、ご自身でお確かめいただいております。
  • 給付金申請に必要な書類は受付に提出をお願い致します。診断書作成料が1通につき3000円(税別)いただいておりますのでご了承いただけますと幸いです。
  • 診断書のお渡しは、治療終了(病理結果確定、傷の治癒)してから1週間前後となります。

腫れて膿を持った粉瘤(炎症性粉瘤・感染性粉瘤)

炎症が強く、赤く腫れているのに、カチカチで中に膿がたまっていない粉瘤があります。その場合は細菌による炎症ではなく、自分の免疫が強く反応している可能性があります。そのような状態の際には、切開は行わずステロイドの局所注射をして様子をみます。

ぶよぶよして中に膿がたまっている状態の粉瘤は感染性粉瘤と呼びます。この場合は切開して排膿し、中を綺麗に洗浄します。処置後は抗菌薬の内服をしていただきます。

当院では、この処置の際に嚢腫壁を除去するようにしています。そうすることで、治癒した後の再発を防ぐことができます。

大きく深く腫れてしまった粉瘤は、しばらく潰瘍化して処置が必要になる場合があります。